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カテゴリー別アーカイブ: 日記

第20回配管工事雑学講座

皆さんこんにちは!

光プロジェクト株式会社、更新担当の中西です。

 

1. 継手選定の原則:流体・圧力・温度・清浄度・保守性 🔍
継手は「漏らさない・壊れない・止められる」が三原則。さらに、運転条件(温度・圧力・脈動・真空)と流体の化学性(腐食性・溶解性・溶媒性)、清浄度要求(食品・医療・超純水)、耐火・法規(消防・ガス)を横断して選びます。初期コストだけでなく、締結回数・再利用性・トルク管理・洗浄性まで加点/減点。計装や保守頻度が高い箇所は分解容易なフランジ、清浄度最優先のラインは全溶接、工期短縮には機械式継手といった具合に、役割に応じた適材適所を徹底します。🧠

 

2. ねじ継手(テーパー・平行)🔩
長所:工具だけで施工でき、可搬性が高い。小口径・低圧ラインで便利。 短所:トルク依存・シール材の経年劣化・抜差しで傷みやすい。振動/熱で緩みがち。 要点: – テーパーねじはシール材(PTFEテープ/シール剤)の巻き量と方向を統一(右ねじなら右回転に沿う)。 – 相手材が樹脂や軟質の場合はインサートで破損を防止。 – 座屈・偏芯を避けるため、配管を「ねじに合わせる」のではなく継手に配管を収める段取りで。📏

 

3. 溶接(アーク/TIG/MIG)🔥
長所:シール性・強度に優れ、清浄度が高い。高温・高圧・重要配管の主役。 短所:施工者技能に依存、歪み・熱影響、検査工程が必須。 要点: – WPS/PQR(溶接手順書/施工記録)の管理、溶接棒ロットのトレース。 – 開先・ルート間隔の徹底、裏波や焼けの管理。SUSは酸洗・不動態化までが1セット。 – 非破壊検査(PT/MT/RT/UT)をリスクに応じて選択。食品・医療は内面研磨/電解研磨も検討。🧪

 

4. ろう付け(銅・真鍮・ステンレス)🧯
長所:毛細管作用で内面が滑らか、冷媒・銅管給湯で高信頼。熱影響が比較的小。 短所:母材濡れ性とフラックス管理に失敗するとピンホール。高温・強酸/強アルカリには不向き。 要点: – ろう材の銀含有率と作業温度の適合。 – 窒素パージで酸化防止(冷媒管は必須)。 – 加熱は一方向から偏らず、継手全体を温める意識。🔥

 

5. 接着・溶着(塩ビ・PP・PVDF 等)🧪
長所:軽量・耐薬品・施工が速い。高純度薬液・排水で主力。 短所:温度と溶剤残留、線膨張とクリープ。打撃・局部荷重に弱い。 要点: – 端面バリ取り・面取り→乾式仮組→マーキング→清浄→接着→保持の標準手順。 – 溶着(ヒートフュージョン)は温度・圧力・時間の三点管理と校正ラベルを台帳化。 – 治具で位置決めし、養生時間中の捻れ/荷重を禁止。⏳

 

6. 機械式継手(プレス・グルーブ・ワンタッチ・フランジ)⚙️
長所:工期短縮、火気不要、品質の平準化。狭所や夜間工事に強い。 短所:適用温度・圧力・耐火認定の範囲に制限。ゴム材の経年劣化。 要点: – 工具校正証明の有効期限管理、毎日の試し打ちと打刻確認。 – ガス・消火は必ず認定範囲を確認。ゴム材(EPDM/NBR/FKM)の流体適合をマトリクス化。 – フランジは面粗さ・ガスケット材質・締付順序(対角・規定トルク)。🧰

 

7. 品質保証:トレーサビリティと検査計画 ✅
• ITPに継手種別ごとの検査項目/判定基準/記録様式を明記。
• 写真は部位・図番・距離計入り、ねじはシール材の巻き始め・巻き数が見えるよう撮影。
• 溶接はビード・裏波を撮影し、熱影響部の変色も記録。接着・溶着は温度ログを保存。📸

 

8. トラブルあるある & 予防 🧯
• プレス忘れ→打刻一覧と相互確認、夜間は打刻音の定点録音で抜け検知。
• フランジからの滲み→ガスケット再選定、粗さと面出し、ボルト再締付タイミングをルール化。
• ろう付けピンホール→窒素パージ、清浄→均一加熱の復習、再発防止教育。📚

 

9. 現場チェックリスト 📝
• 継手選定根拠(温度/圧力/流体/法規)
• 工具校正・消耗品ロット・作業者資格
• 仮組マーキング・位置決め治具・歪み対策
• 火気/酸欠/換気・防火シート・感知器停止手順
• 検査(PT/気密/水圧)・写真・是正記録📎

 

10. まとめ ✍️
継手は現場の言語。誰が見ても同じ品質に到達する手順化と見える化で、漏れゼロ・やり直しゼロを実現します。次回は支持金物と防振を設計から現場まで一気通貫で。🧱🔧

 

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第19回配管工事雑学講座

皆さんこんにちは!

光プロジェクト株式会社、更新担当の中西です。

 

1. 選定の軸:流体×温度×圧力×清浄度×コスト
配管材料は“流体の性質と運転条件”で決まります。水・温水・蒸気・薬液・ガス・冷媒・スラリー……。温度・圧力・腐食性・清浄度・法規を横断し、維持管理と更新性まで含めた総合最適で選びます。⛽

 

2. 鋼管:万能だが防食設計が命 
• 種類:SGP(配管用炭素鋼鋼管)、STPG(圧力配管)、STPT(高温)、白ガス・黒ガスなど。
• 長所:強度・価格・調達性。ねじ・溶接・フランジ多様。
• 短所:腐食・赤水。防食は溶融亜鉛めっき・塗装・内面ライニング、絶縁継手で迷走電流対策。
• 使い所:消火・空気・蒸気一次側・一般水ライン。

 

3. SUS(304/316):耐食と清浄のエース ✨
• 長所:耐食・清掃性・強度。酸洗・不動態化で仕上げ。
• 短所:コスト・溶接難度・塩害。塩化物応力腐食割れに注意、316/316Lやデュプレックスで回避。
• 使い所:飲料水・温水・薬液・食品・医療ガス・純水系。

 

4. 銅管:熱と冷媒に強いベテラン
• 長所:熱伝導・加工性・殺菌性。フレア・ロウ付けで高信頼。
• 短所:脱亜鉛腐食・電食。流速・水質管理、異種金属接触に絶縁処理。
• 使い所:冷媒・給湯・床暖・コイル接続。

 

5. 樹脂管:軽さと耐薬品の時代
• VP/HTVP(硬質塩ビ):排水・耐薬。溶着・接着。耐熱はHTVP。
• PP/PP-R:軽量・耐薬、溶着でクリーン。温水にも。
• PE/架橋PE:耐食・フレキシブル。給水・床暖。膨張・固定に注意。
• PVDF/ETFE:高純度薬液・超純水の王道。溶着管理が品質を左右。

 

6. 機械継手・圧着・拡管:スピードと品質の両立 ⚙️
近年主流の機械式継手(プレス・グルーブ・ワンタッチ)は品質の平準化と工期短縮に有効。ただし適用流体・温度・圧力・耐火認定を必ず確認。工具校正と打刻のトレーサビリティが監査で効きます。

 

7. 材料選定フローチャート 
1) 流体の化学性→2) 温度圧力→3) 清浄度→4) 法規→5) 経済性→6) 維持管理→7) 調達納期→8) 施工性。どれか1つでもNGなら再選定。

 

8. 実務Tips
• 異種金属接触は絶縁継手。
• 電食は接地・防食と電位差管理。
• 騒音は配管径・流速・支持で抑える。
• 断熱厚は熱計算に基づき最適化し、省エネと結露防止を両立。

 

9. まとめ ✍️
材料選定は運転条件の言語化から。トレーサビリティを守り、適材適所でコストと品質を同時に満たしましょう。次回は継手・接合技術へ。

 

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第18回配管工事雑学講座

皆さんこんにちは!

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1. なぜ“読む”ではなく“つなぐ”なのか 🧩
図面は単体で正しくても、他図面と矛盾すれば現場は止まります。意匠(A)・構造(S)・設備(M/E/P/I)・P&ID・機器据付要領・メーカー図・仮設計画・工程表——これらを時系列で接続して初めて「施工可能な情報」になります。通り芯(X/Y)とレベル(Z)で全てを座標化し、優先度(構造>設備>仕上)を明記した上で、干渉判定と設計変更の責任分界を初期に確定させます。🧭

 
2. 基本の図面セットと役割 📚
• P&ID:配管・計装の機能図。弁記号、計装ループ、洗浄/ベント/ドレンの哲学が詰まる。
• 平面/断面/天伏図:ルーティング・勾配・レベル差・機器スペースを読む主戦場。
• 詳細図/支持図:エルボ位置、継手回転、支持ピッチ、膨張吸収の具体。
• 機器据付図:口径・フランジ規格・ノズル方位・基礎高さ・保守スペース。
• 電気/計装図:電源容量・ケーブルルート・I/O点数・インタロック。
• 仕上表:貫通部処理、防火・防水仕様、仕上前後の手順。🧱

 

3. 読解ステップ:赤ペン3層マーキング ✍️🖍️
1) 一次マーキング:主要機器・ルート・高低差・躯体貫通を赤、換気・排煙を橙、電気を青。
2) 二次マーキング:干渉候補(梁・ダクト・ケーブルラック・配管同士)に雲マーク、優先順位を番号付け。
3) 三次マーキング:試験弁・ドレン・ベント・点検口・仮設口・バイパスを明示し、試験と洗浄の動線を完成させる。 この3層で施工時の詰まりが見える化され、材料発注・プレハブ化の基礎が固まります。📑

 

4. レベルと勾配:1mmの嘘が現場を止める 📏
排水・ドレン系は1/100〜1/50の勾配管理、冷媒やガスは水平度と立上りが命。梁下・吊天井・機器架台のレベル基準を統一し、貫通スリーブ位置は仕上前にFIX。勾配は始端→末端で逆算し、通気・ベントを同時に設計。勾配が取り切れない区間は、局所的にポンプアップやサイフォン対策で解決します。🧰

 

5. 躯体貫通と防火:設計段階で勝負 🔥
梁・耐震壁・主要スラブは貫通制限が厳格。C種/RCW/ケーブル等の防火区画を読み、貫通スリーブの径・位置・数量・工順を前倒し申請。施工後のコーキングではなく、耐火措置の認定工法を準備し、写真+ラベルで証跡化します。📸

 

6. BIM/点群で“見える化” 🖥️
改修や大型案件では点群スキャンで既存を3D化、BIM(Revit等)で干渉・保守空間・施工順序を可視化。断熱厚み・吊り金物・ボルト長まで入れ、スプール分割と先行ユニット化で現場時間を短縮。座標付き加工図を工場へ渡すのがコツ。🧱

 

7. 検討会の運営術:1時間で決め切る 🕑
• 事前にアジェンダと承認事項を明記、未決は“誰がいつまで”をRedmine等で管理。
• 干渉箇所は3案(上越・下越・折返)を提示、コスト・工期・維持の三面で比較。
• 写真/3D/動画で共有、現場巡回→即結論の流れで“検討を作業化”する。📽️

 

8. 検図チェックリスト ✅
• 図番整合(P&ID/平面/断面/機器/電気)
• レベル基準・勾配・吊りピッチ・膨張余裕
• 貫通スリーブ・防火区画・防水納まり
• 試験弁・ベント・ドレン・洗浄経路
• 保守空間・更新スペース・バルブ操作性
• 表示・塗色・タグ番号・矢印方向
• 材料・規格・ロット・検査要件
• プレハブ/スプール分割・搬入経路🚚

 

9. ケース:機械室での“100mm不足”を救う 💡
配管・ダクト・ラックが集中する機械室で100mmのクリアランス不足。BIMで干渉を洗い出し、配管をフランジ1面分(19mm)シフト、支持金物をチャンネルからC形鋼に変更、断熱を部位限定で薄肉化。弁ハンドル回転を考慮し、点検口も移設。コスト増を3万円に抑え、保守性UPを両立。🧮

 

10. まとめ ✍️
図面読解は座標化・時系列化・責任分界の三点セット。BIM/点群・写真・加工図を連動させ、“見る”より“決める”会議運営で手戻りを根絶します。次回は配管材料の選定と使い分けを徹底解説します。🔍

 

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第17回配管工事雑学講座

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1. 配管が“見えないインフラ”である理由 🏗️
建物も工場も、配管がなければ生命線である「水・熱・空気・ガス」が流れません。意匠が美しくても、構造が強固でも、流体が安全に、必要な時に、必要な量と圧力で届く仕組みが整っていなければ、建物は機能しないのです。配管設備工事は、見えない場所で建物の価値を底上げする性能工事。完成後に見えなくなるからこそ、施工中の可視化・記録・検査が品質の鍵を握ります。🗝️

 

2. 対象分野の広さ:建築とプラントの“橋渡し” 🌉
配管は、給排水・空調・消火・ガス・ろ過・純水・薬液・蒸気・冷媒など多岐にわたります。建築設備では衛生・空調・電気と連携し、プラントでは機械・計装・電気と一体で動きます。図面は意匠(A)・構造(S)・設備(M/E/P/I)が重なり、P&ID、レイアウト、スプール図、はしご詳細、サポート図、バルブリスト、ラインリスト、ITP(検査計画)まで紐づきます。誰がどの情報で何を確定し、いつ施工可能かを時系列で整理する習慣が、段取りを劇的にラクにします。⏱️

 

3. 現場フロー:段取り八分がすべて 🧩
1) 仕様・図面レビュー → 2) 現地踏査(既存確認)→ 3) 施工計画(工程・仮設・安全)→ 4) プレハブ/加工計画 → 5) 墨出し・インサート → 6) 配管・支持・継手 → 7) 試験(耐圧・気密)→ 8) 断熱・防食 → 9) 機器接続・計装 → 10) 試運転・引渡し。各工程で証跡(写真・寸法・ロット・成績書)を残し、チェクリストで「作業→検査→是正→再検」を回すのが王道。📑✅

4. 品質の要点:Q(品質)C(コスト)D(工期)S(安全)E(環境)🧭
• 品質:勾配・通気・支持ピッチ・熱膨張吸収・ドレン処理・清掃性・更新性。
• コスト:ルーティング短縮、継手種別最適化、プレハブ化、共通架台化。
• 工期:BIM調整、先行加工、仮設計画、日程クリティカルパス管理。
• 安全:酸欠・火気・高所・クレーン・化学物質・圧力開放ルールの徹底。
• 環境:漏水・漏洩ゼロ、廃材分別、省エネ運用、保温厚さの適正化。🌱

 

5. 主要材料の超概説 🧪
• 鋼管(SGP, STPG 等):強度◎。ねじ/溶接。腐食対策は亜鉛めっき・塗装・ライニング。
• ステンレス(SUS304/316):耐食◎。溶接/機械継手。塩素・海風環境での材質選定注意。
• 銅管:ろう付け・フレア。冷媒/給湯に好相性。脱亜鉛腐食・流速騒音の配慮。
• 樹脂(VP/HTVP/PP/PE/架橋PE, PVDF 等):軽量・耐薬品・施工性。耐熱圧力・線膨張に注意。
• 継手:ねじ・フランジ・溶接・溶着・圧着・拡管・差し込み。用途と圧力で使い分け。🔩

 

6. ルーティングの思考法 🧠
最短より最適。点検・更新・洗浄・排気/ドレン・膨張吸収・耐震クリアランス・他設備との干渉を満たす「一生分の合理性」を設計段階で埋め込みます。勾配系は始端→末端の逆算、圧力系はポンプ→末端の圧損設計、冷媒は液柱/オイル戻り、ガスは換気・漏洩検知まで。現場では通り芯・レベル・壁芯で座標化し、吊り金物の共通化で手戻りを削減。📏

7. 試験・洗浄・引渡し 🔬
水圧/気密試験はバルブ閉鎖位置・計器校正・温度補正・保持時間を明確に。洗浄・フラッシングは流速・時間・濁度を管理、必要に応じ薬洗やパスボックス。識別表示・回転方向・弁番号・計装レンジを台帳化し、写真+図番で電子納品。ユーザー教育(OH)まで行い、初期不具合ゼロを狙います。🏁

 

8. ケーススタディ:雑居ビルの給湯・排水改修 ♻️
• 制約:夜間作業・臭気対策・営業継続・既存図なし。
• 方針:昼間に配管スプールを工場で先行製作、夜間に切替。負圧発生を想定し仮通気を設ける。臭気拡散は負圧隔離+活性炭。
• 成果:切替停止を4時間以内に短縮、クレームゼロ、漏れゼロ。🕓

 

9. あるある不具合と未然防止 🧯
• 排水のサイホン切れ→機器直近に通気、水封深さ確保、長期停止時は封水剤。
• 水撃→立上り直後にアレスター、配管固定を強化、バルブ開閉速度を制御。
• 冷媒オイル戻り不良→立上りにオイルトラップ、配管径/流速の再検討。
• 熱膨張の亀裂→エキスパンションループとスライドサポート、アンカー位置最適化。

 

10. 今日から使えるチェックリスト ✅
• 仕様・図面整合(A/S/M/P&ID/機器表)
• 材料証明・ロット・検査成績書取得
• 墨出し(通り芯/レベル/クリアランス)
• 支持金物の荷重計算と防振要否
• 勾配・通気・ドレン・膨張余裕
• 耐圧/気密の試験計画(計器・温補)
• 断熱・識別表示・弁番号・回転方向
• 写真管理(部位/図番/寸法入り)
• 引渡し書類(取説・台帳・教育)🗂️

 

まとめ ✍️
配管は見えないほど品質が問われる工事。段取り、可視化、検査の三本柱で「性能をつくる施工」を徹底すれば、引渡し後の評価は必ず上がります。次回は図面読解の極意を深掘りし、干渉ゼロのルーティングに繋げます。📐✨

 

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第16回配管工事雑学講座

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さて今回は

~省エネ・省人化・DXで変わる配管~

 

人手不足・エネルギー高騰・短工期。配管工事は省エネ×省人化×デジタルで生産性と品質を両立する時代へ。工場・商業施設・病院・ホテル等の中〜大規模案件で効く取り組みを解説します。

1|エネルギーを配管から減らす ❄️

  • 断熱最適化:給湯・冷水・冷媒の熱損失/得を計算し、厚みと材質を最適化。

  • 循環バランス:ヘッダー・バルブ調整で末端温度むらを解消、ポンプ電力も削減。

  • 低圧損設計:曲げ回数削減・大径化でポンプ所要動力↓

  • 回収:排熱回収・温度差利用で給湯前加熱

2|プレファブ×スプールで“工期短縮”

  • 工場製作:ヘッダー、機器周り、配管ラックをユニット化。現場は据付と接続だけに。

  • 品質の均一化:溶接・融着を恒温・恒湿で。**NDT(非破壊検査)**の自動記録。

  • 物流の効率:ケース番号=設置順。先行仕上げを傷つけない導線計画。

3|BIM/CIM・点群で“ぶつからない設計” ️️

  • 干渉ゼロ:梁・ダクト・トレイと三次元で調整、支持金物もモデルに。

  • 施工順シミュレーションクレーン・高所作業車の可動域まで検証。

  • 電子小黒板・出来形連携:写真・寸法・材質・ロットを台帳自動生成

4|水撃・騒音・振動のリスクを初期に潰す

  • 水撃解析:弁閉鎖時間・配管長・圧力波でアレスタ容量を算出。

  • 消音対策:排水縦管は防音二重管+防振吊り、機械室は防振架台を標準化。

  • ガス・薬液:機器直近のフレキ長さドレン処理を明文化。

5|メンテナンスDX:壊れる前に直す

  • スマートバルブ:開度・差圧・温度をクラウド監視、異常を早期検知。

  • QR台帳:バルブ番号を読むと系統図・試験記録・更新履歴が即表示。

  • 予防保全封水切れ警報、冷却水のスケール・腐食指数を可視化。

6|安全と法令遵守は“型化”で守る

  • 作業手順書:溶接・火気・酸欠・高所の許可制と教育履歴。

  • 圧力容器・高圧ガス・消防法:試験圧・検査手順・表示のダブルチェック

  • 化学物質:SDSで手袋・マスク・廃液の扱いを標準化。

導入事例スナップ ✨

病院の熱源更新。BIMで24時間稼働エリアを回避し、夜間切替3回で完了。
ヘッダーユニット化により工期▲35%、騒音・粉じんクレームゼロ
断熱最適化で年間エネルギー**▲12%**を見込む試算に。

まとめ

省エネ設計×プレファブ×デジタル管理で、配管は“早く・静かに・長持ち”へ。
当社は、計画・設計・製作・施工・試運転・保守までワンストップで支援します。
「短工期の切替案件」「病院やホテルの止められない現場」もお任せください。

 

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第15回配管工事雑学講座

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さて今回は

~“漏らさない・詰まらせない・音を出さない”~

建物の快適さは、目に見えない配管に支えられています。給水・給湯・排水・通気・ガス・消火・空調配管まで——漏らさない・詰まらせない・音を出さないことが品質の三原則。本記事では、住宅・店舗・オフィスで役立つ配管の基本と、現場で差が出るプロの段取りをまとめます。📝

1|材料と継手の選び方 📦

  • 給水・給湯:架橋ポリエチレン(PEX)/ポリブテン(PB)/銅管/ステンレス。
     →耐熱・耐食・曲げやすさ・施工性を用途とコストで比較。

  • 排水:硬質塩ビ(VP)/耐熱塩ビ(HT)+防音二重管。
     →**勾配(1/50〜1/100目安)**と通気(伸頂通気・上流通気)が命。

  • ガス:鋼管(ねじ・溶接)/フレキ。
     →機器直近は耐震継手可とうで地震対策。

  • 消火:配管用炭素鋼鋼管(SGP)/耐食ライニング。
     →漏水=致命傷。耐圧・流量の設計値厳守。

🧩 継手の使い分け
ねじ込み(更新容易)/溶接(強度・気密)/ロウ付け(銅)/融着(樹脂)/メカ継手(スピード)。
水質・温度・圧力で選ぶのが鉄則です。

2|“図面↔現場”の段取り力 🧭

  • 施工図とスプール化:機器芯・床壁貫通位置・支持金物をミリ単位で確定→工場でプレファブ化。

  • 干渉調整:空調ダクト・電気配管・梁成と三次元でぶつけて確認

  • 搬入経路:長尺物は階段・EV寸法チェック、曲げ配管で小運搬化。

  • 穿孔計画スリーブ位置・径を躯体打設前に合意、あと施工アンカーは耐震区分遵守。

3|施工の基本品質 “5つの型” 🧰

  1. 支持間隔と防振:揺れ・たわみ・水撃音を支持金物+防振材で抑える。

  2. 勾配と通気:排水は勾配一定、通気はサイホン切れ防止(トラップ封水25〜50mm確保)。

  3. 異種金属接触防止:銅×鋼の電食対策に絶縁継手。

  4. 保温・防露:冷媒・冷水は結露封じ、給湯は省エネ保温

  5. 貫通部の防火措置:耐火区画はケーブル・配管一体で認定仕様に。

4|試験・洗浄・引渡しまで 🧪🧼

  • 耐圧・気密試験:所定圧・保持時間・温度条件を記録。

  • フラッシング(管内洗浄):錆・切粉を排出。温水系は薬洗→中和

  • 水質・流量バランス:末端圧力・温度・流量を実測

  • 音と振動の確認:水撃(ウォーターハンマー)対策は緩閉弁・アレスタで。

5|“住みながら守る”メンテ設計 🧰🔁

  • 点検口:バルブ・トラップ・ヘッダー上に手が入る寸法

  • 清掃性:排水は掃除口を要所に、横引き長すぎ注意。

  • 更新性:シャフトは将来径アップも想定、共用部は切替スペースを確保。

事例ミニノート ✨

店舗改修で夜間工事。既設天井裏はスペース50mm不足。薄型防音二重管+偏心サドル支持に変更し、勾配確保&騒音低減。翌日の営業も影響ゼロに。🎯

まとめ 💡

配管品質は、材料選定×段取り×5つの型×試験で決まります。
「図面から試運転・引渡し、保守計画まで」ワンストップで支援します。お気軽にご相談ください!📞🚿

 

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第14回配管工事雑学講座

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さて今回は

~経済的役割~

 

配管工事は、給排水・ガス・空調・消防・医療・工場ラインなど、あらゆる建築物やインフラに欠かせない存在です。表立って注目されることは少ない分野ですが、実は私たちの生活や経済活動のあらゆる場面を“見えないところ”で支えている、非常に重要な産業です。

今回は、配管工事が果たす経済的な役割に焦点を当て、その貢献と広がりについて深く掘り下げます。


1. 社会インフラの安定を支える「縁の下の力持ち」

水道、ガス、空調、排水など、人間の生活や都市機能に不可欠な要素は、すべて“管”でつながれています。配管があるからこそ、私たちは水が使え、快適な空間で暮らし、火災や感染から身を守ることができます。

このような配管工事の果たすインフラ的役割は、次のような経済的価値を生み出しています:

  • 都市の機能維持による経済活動の安定
     → 商業施設・オフィス・工場・医療機関などの稼働に直結

  • 災害復旧における迅速な供給系統の再構築
     → 水道・ガス供給停止からの早期復旧は地域経済の再生に不可欠

  • 住宅供給における価値形成
     → 設備仕様(配管の耐久性・メンテ性)が不動産価値に直結

つまり、配管工事は「経済の土台」であり、都市の生産性・安全性・住環境の質を保証する基盤として不可欠です。


2. 建設・設備関連産業を支える雇用と市場形成

配管工事は建設業界における重要な専門職のひとつであり、多くの人材を支える雇用の受け皿です。

  • 給排水・空調・ガスなどの工種にまたがる分業型構造

  • 現場管理者、設計者、技能者、保守担当など多職種展開

  • サブコン・設備業者との協業による取引経済の拡大

さらに、配管資材(鋼管、塩ビ管、継手、断熱材など)や施工工具、溶接装置、BIMソフトなど、関連する商材・サービスの市場規模も大きく、裾野が広いことも特徴です。

このような広がりは、地域の中小企業や資材メーカーの経済活動を支える基盤にもなっています。


3. 省エネルギー・脱炭素への貢献と経済効果

現代の配管工事は、単なる施工だけでなくエネルギー効率や環境性能の向上という経済的価値も生み出しています。

  • 断熱材を用いた配管施工による熱損失の削減

  • 高効率冷暖房機器との連動によるエネルギー節約

  • 雨水利用・中水道整備による水資源の有効活用

  • 老朽化した配管の更新による漏水・ガス漏れの防止

これにより、住宅・施設のランニングコスト削減、公共事業における水道料金の抑制、環境税制対応など、経済的・環境的に持続可能な社会づくりに寄与しています。


4. 設備産業の高度化と産業競争力の強化

近年の製造業や医療業界、半導体工場では、高度で精密な配管技術が求められています。

  • 純水・超純水・薬液などの衛生配管

  • オルビタル溶接などの高精度な接合技術

  • クリーンルーム内の空調配管・圧力制御系

これらの配管は、製造プロセスの品質や安全性を支えるものであり、日本の先端産業の国際競争力を技術面から支えているのです。

さらに、海外プラントの配管施工や現地対応も含めて、外貨獲得・技術輸出の一端も担うグローバルな経済価値も生まれています。


5. 中長期的なライフサイクルコストの最適化

配管工事は“その場限りの工事”ではなく、20年~50年にわたるライフサイクルの中で、経済的価値を持ち続けます。

  • 高耐久素材や計画的ルート設計によるメンテナンスコスト削減

  • トラブル時の迅速な対応による機会損失の防止

  • 更新時の再利用や撤去効率まで考慮した初期設計

これにより、建物や施設のトータルコストを最適化し、企業や自治体の経営効率を高める間接的経済効果を持つのです。


配管工事は“流れ”をつくり、“経済”をまわす仕事

水や空気、ガスや熱など、あらゆる「流れ」を制御する配管は、現代社会における“血管”のような存在です。その整備・維持・進化を担う配管工事は、私たちの生活を見えないところで支えながら、インフラ・産業・環境・地域・国際競争力にまで波及する多層的な経済価値を生み出しています。

配管工事は、未来を見据えた“経済の動脈”であり、これからの社会にとって、ますます欠かせない存在になることでしょう。

 

 

 

 

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第13回配管工事雑学講座

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さて今回は

~多様化~

 

配管工事というと、建物内外の水道管・ガス管・空調配管などを設置する“裏方”のイメージを持たれがちですが、実はこの分野は近年、劇的な多様化と高度化を遂げています。現代社会の多様なニーズに応じて、配管工事は「建築設備の骨格」から「先進産業の支援装置」へと役割を広げており、その現場は今、技術革新と対応力が求められるダイナミックなフィールドとなっています。

配管工事の多様化がどのように進んでいるかを、現場・技術・材料・分野横断の観点から深く掘り下げます。


1. 分野別の配管ニーズの多様化

かつては主に給排水・空調・ガスの配管が中心でしたが、今では業種ごとに異なる機能と規格に対応した多様な配管工事が必要とされています。

▪ 医療・製薬分野

  • 無菌環境に適したステンレス配管

  • 薬液・純水ラインの溶接施工(オルビタル溶接)

  • クリーンルーム仕様の気密性配管

▪ 食品工場・飲料製造

  • 食品衛生法準拠の衛生配管

  • CIP(定置洗浄)対応パイピング

  • 温水・冷却水・蒸気配管の複合整備

▪ 半導体・精密機器分野

  • 超純水・高純度ガス・真空配管

  • クラス1000以下の清浄度が求められる施工管理

このように、配管工事は単なる「つなぐ工事」ではなく、その施設の業務・製品・環境に合わせた“機能設計”と“技術力”が問われる時代へと進化しています。


2. 材料・継手・施工法の多様化

配管で使用される材料や接合技術も著しく進化し、多様な現場に対応できるようになっています。

▪ 配管材料の選択肢の増加

  • 鋼管(白ガス、黒ガス)、銅管、塩ビ管、架橋ポリエチレン管

  • ステンレス(SUS304/316)やフッ素樹脂ライニング管

  • 耐薬品性・耐熱性に優れた特殊合成樹脂管(PVDF、PPなど)

▪ 接合技術の革新

  • フランジ接続・ねじ接合に加え、溶接(TIG、アーク)、拡管、溶着、メカ継手など多様化

  • 特にオルビタル自動溶接は高品質な施工が要求される医療・半導体業界で重宝される

▪ 工期短縮技術の導入

  • プレハブ配管の現場施工導入により工程の効率化

  • BIMデータ連携による事前干渉チェックとルート最適化

このように配管工事は、素材・接続・設計から現場管理まで一貫した高度な統合施工力を求められる分野となっています。


3. スマート化・デジタル化への対応

近年の建築・設備分野全体で進むスマート化により、配管工事の世界もデジタル技術の導入が進んでいます。

  • 3DスキャナーやBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を活用した配管設計・干渉回避

  • 施工記録のデジタル管理やトレーサビリティの確保

  • 点検や漏水検知にセンサーを活用したスマート配管システム

これにより、従来では「目視・経験」に頼っていた工程が、より正確・安全・効率的に管理されるようになってきています。


4. 環境・エネルギー対策としての役割の拡大

配管はエネルギーインフラの一部でもあり、その効率性や環境負荷軽減にも大きく関与しています。

  • 断熱性能の高い配管による省エネ化

  • 再生可能エネルギー設備との連携配管(地中熱、太陽熱、バイオマス)

  • 雨水・中水利用システムの整備

また、配管からの微細な漏れや熱損失が長期的なエネルギー損耗に直結するため、高精度な配管施工は脱炭素社会への基盤整備にもつながるのです。


5. サービスの多様化とライフサイクル対応

配管工事業者の業務も「施工」に留まらず、以下のように拡張しています。

  • 設計・調査・見積もり支援

  • 劣化診断・修繕計画立案

  • アフター点検・24時間対応の緊急保守

  • リノベーションや老朽配管更新の提案

これにより、単発型から長期的な施設管理パートナーへの転換が進んでおり、信頼性と継続性が付加価値として求められるようになっています。


配管工事は“産業の血管”から“未来のインフラ”へ

配管工事の多様化は、単に現場対応の幅が広がったというだけではありません。そこには、高度な技術・設計力・環境対応・デジタル運用・専門性の融合が求められています。

つまり、配管工事はもはや“建物の裏方”ではなく、社会と産業の循環を守り、次世代のライフラインを構築する先端分野となっているのです。

配管の先に流れているのは、単なる水やガスだけではありません。その“管の先”には、人々の暮らしと経済の未来がつながっているのです。

 

 

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第12回配管工事雑学講座

皆さんこんにちは!

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さて今回は

~設計~

ということで、配管工事における設計の考え方・実務プロセス・技術的検討事項を、段階ごとに詳しく解説します。

 

配管設計は、建物や設備の「血管」を設計するようなものです。
水、空気、ガス、蒸気、薬品、排水など、多種多様な流体が、限られた空間と制約の中で、安全かつ効率的に流れるよう設計される必要があります。

設計が不適切であれば、施工時のトラブルや、稼働後の漏れ・詰まり・圧力損失・維持管理の困難化など、重大な問題に発展することもあります。


🧭 1. 配管設計の基本的な役割とは?

配管設計は、単に「配管を描く」作業ではありません。設計者には、以下のような責任と視点が求められます

  • 流体の性質を理解した材料・口径・勾配の選定

  • 建築・設備・構造との調和

  • 施工性・保守性・経済性のバランス

  • 安全性(圧力、温度、漏れ、耐震など)への配慮

  • 将来の増設・点検・交換への準備


📐 2. 配管設計のプロセスと設計フロー

① 要求仕様の整理

  • 使用流体(温度、圧力、腐食性、粘性)

  • 必要流量と使用量の変動

  • 設置場所の条件(屋内/屋外、地中/天井裏、高所/狭所)

② システム設計(系統図・フロー図の作成)

  • P&ID(配管計装図)や系統図を作成し、バルブ・ポンプ・装置の相関を整理

  • 制御弁、逆止弁、圧力計、流量計などの配置も検討

③ 配管ルート設計(レイアウト)

  • 平面・立面・断面での経路設計

  • 他設備(ダクト・電気・構造部材)との干渉回避

  • メンテナンス・点検口の配置とスペース確保

  • 燃料配管や高温・高圧配管では避難動線との分離設計

④ 材料・口径・勾配の決定

  • 管種(鋼管、ステンレス、塩ビ、ポリエチレンなど)

  • 継手の種類(ねじ込み、溶接、フランジ、融着)

  • 勾配設計(排水は1/100〜1/50、空気は0勾配でもOK)

⑤ 給排水・通気・ドレン・空気抜きの設計

  • 排水は自然流下、サイフォン防止と通気のバランスが重要

  • 凍結対策、サーマルリリーフ(温度上昇による圧力逃がし)


🔧 3. 技術的検討事項(設計者が見落としてはいけないポイント)

◯ 圧力損失と配管抵抗

  • 長い経路や曲がりの多さが圧損を増加 → ポンプ選定に影響

  • 流量、管内径、粘度からDarcy-Weisbach式やHazen-Williams式で圧損計算

◯ 熱膨張と支持設計

  • 温度差による配管の伸縮(特に金属配管)は、破損の原因に

  • スライド支持、フレキシブル継手、U字型の膨張ループを設計に反映

◯ 振動・騒音対策

  • コンプレッサーやポンプの近くでは、防振支持・ダンパー設計

  • 長距離配管では共振や管鳴きにも注意

◯ 保温・防露・断熱の設計

  • 冷水配管は結露による腐食やカビの原因に

  • 熱湯や蒸気配管は断熱材・保温材の選定が重要(グラスウール、ロックウール等)


📊 4. 法規・基準・安全設計の対応

配管設計には、多くの法令・基準類への適合が求められます。

主な関連法令・規格

法令/規格 対象内容
建築基準法 排水、貫通部、防火区画の処理など
労働安全衛生法 高圧ガス配管、溶接施工時の管理
高圧ガス保安法 圧力・容器との接続、検査義務
消防法 可燃性ガス・危険物の配管
JIS / ASTM / ASME 材質、継手形状、試験方法など

🛠 5. 保守・更新・将来拡張を見据えた設計

設計段階で、更新・メンテナンス・緊急時対応まで見越しておくことが重要です。

◯ 具体的なポイント

  • バルブは人の手が届く位置に

  • フランジ継手で一部配管を容易に分解・交換可能に

  • 保守のための点検口・配管識別表示・流体方向表示

📌 最近では、BIM設計や配管デジタル台帳の整備によって、保守情報も設計に含める動きが主流になりつつあります。


✅配管設計は「見えない品質」を築く最前線

配管は、建物が建っても、機械が並んでも、その内部を支えるインフラの神経系です。
適切な設計があってこそ、安全で快適、そして維持しやすい環境が実現します。


🔍 設計者が押さえるべき5つの鉄則

  1. 流体と使用環境に応じた管種・継手・口径の選定

  2. 他設備との干渉回避と点検性・作業性の確保

  3. 圧損・熱伸縮・振動など物理現象への配慮

  4. 法令・規格への適合設計

  5. 保守・更新・拡張を考慮した柔軟なレイアウト

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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第11回配管工事雑学講座

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さて今回は

~確認事項~

ということで、配管工事に入る前に押さえておくべき事前確認事項を、プロの視点で5つのステップに分けて深く解説します。

 

配管工事は、建物や設備の「血管」にあたる重要なインフラ整備です。
空気・水・蒸気・ガス・油など、さまざまな媒体が「管」という限られた空間を通じて流れるため、施工前の綿密な確認と計画が欠かせません

工事中のトラブルや、引渡し後の漏水・圧力損失などの不具合を防ぐには、事前の確認こそが品質と安全のカギを握ります。


🧭 1. 配管ルートと設計図の整合性確認

◯ 設計図面との突合チェック

  • 平面図、立面図、断面図、配管系統図(P&ID)をすべて確認

  • 他設備(電気配線、ダクト、構造物)との干渉チェック

  • 見えない配管(床下・天井裏)の通管可能性

📌 3D CAD(BIM)による干渉解析が非常に有効。
特に改修工事やリノベーションでは、既設配管図との整合性が最重要ポイントです。


🔧 2. 使用材料・部材の仕様確認

◯ 管種・継手・バルブの選定

  • 使用する流体(冷温水、空気、油、薬品など)と材質の適合性

    • 例:ステンレス vs 鋼管 vs 塩ビ vs SUS304/SUS316

  • 圧力・温度条件に対して耐圧・耐熱性が適切か?

  • 継手の種類(ねじ込み、溶接、フランジ、ソケット)に施工環境との適合性

◯ 材料証明(ミルシート)の確認

  • 高圧・特殊流体系では、材料証明や認証取得(JIS、ASTM)が必要なケースも

  • 異種金属の接触による電蝕防止(絶縁継手等)も忘れずに確認


🧰 3. 現場環境と施工条件の確認

◯ 作業スペースと施工方法

  • 配管経路に対して十分な作業空間(取り回し・溶接作業・工具の使用)があるか?

  • 壁・天井貫通部のコア抜き・防火区画貫通処理の要否

  • 仮設足場や昇降設備の設置計画

◯ 搬入・保管の環境

  • 長尺パイプや重量継手の現場搬入経路と保管スペースの確保

  • 材料が直射日光・雨水・塩害などの影響を受けない環境整備

📌 狭所・高所・高温環境での施工は、作業員の安全管理体制や施工手順の最適化が必要不可欠です。


🛑 4. 安全対策と施工体制の確認

◯ 作業内容に応じた安全計画

  • 溶接作業時の火気使用届・防火管理者の選任

  • 高所作業・クレーン作業時の資格者の配置

  • 作業エリアの立入禁止措置と表示義務

◯ 作業手順書・リスクアセスメント

  • 施工内容に応じた手順書(施工フロー)とKY活動

  • 初めての現場では試験施工(トライアル施工)の導入も有効

◯ 資材・工具の管理

  • 酸素・アセチレン、溶接機などの機器校正・使用期限

  • 絶縁工具や検電器などの電気・ガス配管向け工具の準備


📋 5. 試験・検査と引き渡し条件の確認

◯ 水圧試験・気密試験

  • 設計圧力の1.5倍程度を目安に加圧し、漏れ・圧力降下の有無を確認

  • 試験方法、圧力保持時間、合否判定基準を施工前に文書化

  • 記録表・試験報告書のフォーマット確認

◯ フラッシング・洗浄

  • 油圧・冷却水系などは、系統洗浄・異物除去が必要

  • 洗浄方法(水洗・化学洗浄・エアブロー)と排水先の処理確認

◯ 検査・引渡し前の最終確認

  • サポート金具の緩み・断熱材の取り忘れ・開閉バルブのチェック

  • 表示(系統名、方向、圧力)の明示

  • 施工記録、試験結果、写真台帳の整備と引渡し書類の準備


✅ 配管工事は「目に見えない品質」を守る技術

配管工事は、完成後に隠れてしまう工程が多いため、「見える段階」での確認がすべてです。
施工不良による漏れ・詰まり・腐食などの不具合は、後戻りが困難かつコスト・安全面に甚大な影響を及ぼします。


📝 配管工事の事前確認チェックリス

分類 確認項目
設計図 配管ルート、系統図、干渉チェック
材料 管種、継手、材質証明
現場 作業スペース、搬入経路、保管環境
安全 資格者、火気届、リスク評価
試験 気密試験、水圧試験、洗浄、引渡し

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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